マウスピース矯正のよくある失敗7つ。失敗を避けるためのポイントも解説
監修医情報
医療法人丹心会 大谷歯科矯正歯科 理事長 大谷 淳二(おおたに じゅんじ)
愛知学院大学歯学部卒業後、広島大学大学院にて顎顔面の成長発育をテーマに歯学博士を取得。
大学では矯正歯科・顎変形症治療を専門に研究と臨床に従事し、米国UCSF客員教授としても骨格性不正咬合や外科的矯正を含む国際水準の矯正歯科治療に携わる。
現在は大谷歯科矯正歯科の理事長として、見た目だけでなく「咬める」「長く保つ」ことを重視した矯正治療を軸に、精密検査・3D診断・アンカースクリューを用いた治療計画を日常臨床で実践。
世界インプラント矯正歯科学会(WIOC)理事、日本顎変形症学会評議員として、外科的矯正・骨格性不正咬合・難症例矯正の分野で学術的にも活動している。
【主な資格・所属学会】
- 日本矯正歯科学会 認定医
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会
- 日本歯周病学会
- 日本舌側矯正歯科学会
マウスピース矯正は、目立ちにくく生活に取り入れやすい反面、最近は、SNSやインターネット上で、「マウスピース矯正で失敗した事例」などが散見されるため、不安を感じる方も少なくありません。
失敗といっても様々ですが、理想の歯ならびにならないだけでなく、「予定より治療が長引く」「咬み合わせが不安定」「後戻りが起きる」など原因はさまざまです。
患者さん側の要因としては、装着時間の不足や不定期な通院などの協力度の不足、術者側の要因としては、マウスピース矯正の特性を知らない治療計画の立案、装置装着時の技術不足などが挙げられます。
よくある失敗例と防ぐポイントを知り、納得した上で治療を開始するクリニックを選びましょう。
マウスピース矯正の失敗が不安な方は、国内外で多数の講演実績を持つ歯科医師が在籍する、愛媛県松山市の大谷歯科矯正歯科にご相談ください。
マウスピース矯正が失敗する原因(患者さん側の要因)
マウスピースの装着時間が短い
マウスピース矯正の場合、1日20時間のマウスピース装着義務があります。1日が24時間ですから、マウスピースを外しておいて良いのは、たったの4時間ということになります。
基本的に、飲食時はマウスピースを外す必要がありますので、朝食・昼食・夕食・間食などの時間は装着できません。
何か飲食をする時以外は、仕事中も、学校への通学中も、もちろん就寝時も、マウスピースはずっと装着しておく必要があります。
ガタガタが軽度な症例であれば、この生活も数ヶ月で終わることがありますが、ガタガタが強い症例などは、2〜3年間、1日20時間のマウスピース装着生活を継続する必要があります。
非常に根気が必要で、マウスピースの装着を習慣化することが大切です。
指定された通院時期に行けなかった
マウスピース矯正では、事前に作製したシミュレーションを元に、最初から治療ゴールまでのマウスピースを最初に作製し、それを1番から順番に装着していきます。
その途中で、それぞれやるべきことが最初から決まっており、適切なタイミングで追加の処理を行う必要があります。例えば、IPR・顎間ゴム・アンカースクリュー植立・1つのマウスピースの装着日数の変更などが、挙げられます。
追加の処置と、使用するマウスピースの順番がズレてしまうと、治療がうまく進まなくなる可能性があります。指定された適切な時期に通院することを心がけましょう。
ゴムかけができなかった
これは、マウスピース矯正に限ったことではありませんが、矯正歯科治療では、目標通りに歯を動かすために、顎間ゴムと呼ばれる小さな輪ゴムのようなものをマウスピースに装着することがあります。
マウスピースを装着した後に、顎間ゴムを引っ掛けるのですが、最初はゴムをかけるのに苦労しても、慣れてしまえば、鏡を見なくても手指の感覚だけで上手にゴムを掛けられるようになります。
ところが、「めんどくさい」「忘れていた」などの理由で、このゴムをかける時間が少なくなる方も時々いらっしゃいます。当然、理想の歯ならびに到達するまでの時間が余分にかかったり、理想のゴールからズレてしまうことが想像できると思います。
むし歯・歯周病になった
マウスピース矯正は取り外しできるため、歯磨きしやすい一方、装着中は歯に唾液が行き届かず、むし歯になりやすい環境が生まれます。
1日20時間の使用時間を確保するために、食事後歯磨きする時間が確保できない場合は、先にマウスピースを装着し、歯磨きができるタイミングで歯磨きを行うことを推奨しています。
食後数時間歯磨きが遅れただけでむし歯になることは絶対にありませんが、そのまま歯磨きせずに寝てしまったり、朝からずっと歯磨きしない状態が毎日続くと、むし歯になるリスクが高くなります。
また、マウスピースを装着したまま砂糖入りの甘い飲み物を飲んでしまったり、マウスピース自体の洗浄が不十分、といった習慣が続くと、むし歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。
せっかく矯正歯科治療で歯ならびが綺麗になっても、むし歯や歯周病になってしまっては元も子もありません。お口の健康を守りながら、綺麗な歯ならびを目指しましょう!
マウスピース矯正が失敗する原因(術者側の要因)
理想の歯ならびにならなかった
「シミュレーションではきれいだったのに、実際はうまく並ばなかった」という不満も、セカンドオピニオンとして来院される方からよく聞くお話です。
↑別コラム「マウスピース矯正のデメリット8つ」にも記載していますが、マウスピース矯正では、シミュレーションの7割程度しか歯が動かないことが知られています。
ですから、追加のマウスピースを何回か作製して、最終的な理想のゴールに近づけていく必要があります。
また、歯の(捻れ)回転が強い歯や、歯根の動きが必要な歯は、シミュレーションとズレが出やすい動きです。
この場合は部分的なワイヤー矯正と組み合わせたりして対応しますが、そういった処置ができないクリニックでは、残念ながら治療が十分でないまま終了してしまうことがあるようです。
予定よりも治療期間が長引いた
マウスピース矯正の失敗で多く語られるのが「思ったより治療期間が長くてなかなか終わらない」です。
原因として多いのは、装着時間不足、マウスピース交換の遅れ、歯が計画どおりに動かないことによる追加のマウスピース作製です。
マウスピースを作製する時には、必ずシミュレーションを作成するのですが、実はここに大きな落とし穴があります。
シミュレーションを作るソフトは、デジタル上で歯をどんどん動かしていくのですが、実際には、そこには骨がなかったり、歯ぐきがついてこなかったりすることがあります。
つまり、シミュレーション上では、自由に歯を動かせるのですが、実際の顎の大きさや歯の大きさ、歯の動かし方を正しく理解していないと、AIが作成したシミュレーション通りに歯が動くと誤解し、そのままのシミュレーションでマウスピースを作製してしまうというミスが発生します。
当然治療はうまく進まないばかりか、歯ぐきが下がるなどのトラブルを併発するリスクもあります。歯の動かし方を熟知した矯正歯科医での治療をお勧めします。
後戻りが起きた
治療後に歯が元の位置へ戻ろうとする移動「後戻り」は、マウスピース矯正に限らず矯正歯科治療全般で起こりうる課題です。
歯は動かした直後が最も不安定で、周囲の組織がその位置になじむまで時間がかかります。その期間に保定装置(リテーナー)の着用を怠ると、隙間が再び開いたり、前歯が傾いたりする可能性があります。
特に上の前歯の隙間や下の前歯のガタつきは戻りやすい傾向があるため、保定の重要性は強調されます。
保定装置には、歯の裏側から細いワイヤーを接着剤で固定する固定式保定装置と、透明のマウスピースを使用しながら固定する可撤式(取り外し式)保定装置の2種類があります。
主治医と相談しながら、どちらが自分に向いているか検討しましょう。矯正歯科治療が終わったら「通院が不要」と思いがちですが、当院では安定までの管理をしっかりサポートします。
マウスピース矯正の失敗を防ぐためのポイント
マウスピース矯正の実績が豊富な歯科医院を選ぶ
失敗を避ける第一歩は、検査と診断を丁寧に行い、症例に応じた治療計画を提案できる医院を選ぶことです。
マウスピース矯正は万能ではないため、必要に応じてワイヤー矯正や部分矯正、補助装置の併用など、複数の選択肢を示してくれるかがとても重要です。また、計画の説明が具体的か(期間の目安、追加調整の可能性、リスク、費用の内訳など)も確認しましょう。
カウンセリングでは「自分の歯ならびはマウスピース向きか」「出っ歯の改善はどこまで可能か」など、率直に質問して大丈夫です。納得して進められることが、結果として失敗の回避につながります。
出っ歯の矯正治療について、こちらの記事で紹介しています。
マウスピースの着用時間を守る
これまで繰り返しご説明している通り、マウスピース矯正は装着時間や補助装置の使用など、患者さんの協力が治療の成否に直結します。
まずは「外す時間を最小限にする」より、「外す時のルールと時間を決める(飲食時に1回1時間までなど)」のが現実的です。
例えば「食事をだらだら食べない」「歓送迎会などどうしても使用時間が守れない日は使用日数を一日延長する」「外食時は保管用ケースと歯ブラシを必ず持っていく」など、治療を円滑に進めるための新しい習慣を導入する必要があります。
どうしても装着が難しい日(人前に出るとか旅行があるなど)があるなら、事前に歯科医師へ相談して計画を調整する方法もあります。一緒に相談しながら、無理なく続けられる運用方法を決めていきましょう。
歯科医師とコミュニケーションを取る
「これくらいなら言わなくていいか」と我慢した小さな違和感が、後で大きな不満につながることがあります。
咬みにくさ、マウスピースの浮き、痛みの強さ、発音のしにくさなどは、調整のヒントにもなります。写真を撮って見せる、いつ起きたかをメモするなど、情報が多いほど対処がスムーズです。
また、途中で不安が強くなったときは、シミュレーションを見ながら治療のゴールを再確認することもできます。
マウスピース矯正は、歯科医院と患者さんが二人三脚で進める治療という意識で、たくさん情報交換しながら、進めていきましょう。
定期通院をする
マウスピース矯正では、ワイヤー矯正と異なり、毎月の通院は必要ありません。当院では、基本的に2〜3ヶ月おきの通院をお願いしています。
適切にマウスピースを交換することで、自分で矯正歯科治療を進めていけることは、マウスピース矯正の大きなメリットです。
その間、「計画どおり動いているか」「咬み合わせが不安定になっていないか」などが心配になった場合は、もちろん遠慮なくご連絡ください。
また、指定の時期に通院するもう一つの理由として、そのタイミングで追加の処置が必要な場合があるからです。IPRや顎間ゴムの使用のタイミングは、治療のゴールに大きく影響してきますので、指示された受診のタイミングで通院していきましょう。
マウスピース矯正の失敗が心配な方は、愛媛県松山市の大谷歯科矯正歯科にご相談ください
マウスピース矯正の失敗が怖くて一歩踏み出せない方は、愛媛県松山市の大谷歯科矯正歯科にご相談ください。
当院は、国内外で200回を超える講演実績のある医師が監修するクリニックです。
日本矯正歯科学会認定医・専門医、日本顎咬合学会認定医が在籍し、検査結果をもとに「マウスピースが適した歯ならびか」「ワイヤーや部分矯正の方がよい可能性はあるか」を丁寧にご説明します。
初診ではお悩みを伺い、必要な検査(写真・レントゲン等)を行い、治療計画とリスク、期間の見通しを共有します。
まずは相談だけでも大丈夫です。無理に治療を勧めるのではなく、納得できる選択ができるよう一緒に整理していきます。
矯正治療を検討されている方は、愛媛県松山市の大谷歯科矯正歯科にご相談ください
定期的に【無料矯正相談会】を実施しております