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歯周病でも矯正治療はできる?治療を始める前に知っておきたいリスク

監修医情報


昨今、30〜40代の方でも矯正歯科治療を始める方が増えています。

しかし、30代の3人に1人が歯周病になっていると言われる中で「歯周病があるから歯列矯正はできない?」「歯列矯正を始めたら歯周病が悪化しない?」と心配されている方もいらっしゃるでしょう。

基本的には、歯周病があっても歯ぐきの炎症を抑え、お口の状態を整えてからであれば、矯正歯科治療をすることが可能です。

この記事では、歯周病がある方の矯正歯科治療について、治療前に知っておきたいリスクや予防方法までわかりやすく解説します。

歯周病がある状態で矯正治療を検討している方は、愛媛県松山市の大谷歯科矯正歯科にご相談ください。


歯周病でも矯正歯科治療はできる?

歯周病があるからといって、必ずしも矯正歯科治療ができないわけではありません。ですが、歯ぐきに強い炎症が残っている状態で、そのまま治療を始めることはおすすめできません。

治療中は歯磨きが難しくなるので、歯周病の症状が進行しやすくなるリスクがあります。また、重度の歯周病の場合は、歯を支える骨がすでに溶け、脆くなっている可能性があります。

矯正歯科治療では、歯に適切な力を加え、歯を支えている骨が少しずつ作り替えられる仕組みを利用して歯を移動させます。

矯正装置で強い力を加えると骨組織に負担がかかり、炎症がさらに広がって骨を溶かすスピードが加速します。そのため、治療を始める前に歯ぐきや歯を支える骨がどのような状態なのかを確認することが重要です。

「歯周病があるかどうか」だけではなく、歯周病がどこまで進行しているのか、現在も炎症が続いているのかによって、矯正歯科治療を始めるタイミングは変わります。

そもそも歯周病とは

歯周病は、歯垢(プラーク)の中にいる細菌に感染することによって、歯ぐきに炎症が起こり(歯肉炎)、進行すると歯を支える骨(歯槽骨/しそうこつ)まで溶けて失ってしまう病気です。

歯周病とあわせてよく聞く病気に「歯肉炎」がありますが、歯肉炎は歯周病の初期段階の状態をいい、歯を支える骨の吸収はありません。

これらの病気は主に大人の方がなるイメージですが、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によると、小・中学生の4割が歯肉炎にかかっていると報告されています。

歯肉炎を放っておくと、将来歯周病になるリスクが非常に高くなります。

歯周病は軽度の場合、歯磨きをしたときに血が出る、歯ぐきが赤く腫れるといった症状がみられます。さらに進行すると、歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)が深くなり、歯を支える骨が少しずつ失われていきます。

重度になると歯がグラグラと動くようになり、気づいた時には歯を失うこともあります。これが、恐ろしいことに歯周病が「沈黙の病気」と呼ばれる所以です。

また、歯周病は日本人が歯を失う原因の第1位です。2018年に公益財団法人8020推進財団が発表した「第2回 永久歯の抜歯原因調査」によると、歯を失った理由TOP3は、

1位.歯周病(37.1%)

2位.むし歯(29.2%)

3位.破折/歯が割れること(17.8%)

となっています。

歯周病で厄介なのは、初期はむし歯のように痛みを伴わず、気づいたときにはかなり症状が進行していることです。そのため、日頃のケアや定期的なメンテナンスをすることが重要です。

軽度の歯周病であれば矯正できる

軽度の歯周病で、歯を支える骨への影響が少ない場合には、歯石やプラークを取り除き、歯ぐきの炎症を改善してから矯正歯科治療を始められます。

ただし、「軽度だから歯周病を治療せずに矯正してもよい」という意味ではありません。

矯正装置を装着すると、これまでより歯磨きが難しくなります。特にワイヤー矯正では、歯に装着するブラケットやワイヤーの周囲に食べ物や歯垢が残りやすくなります。

そのため、矯正前に歯周病を治療するだけでなく、ご自身でしっかり歯の汚れを落とせるよう、正しいブラッシングやフロスの習慣をつけておくことが大切です。

当院では、歯ぐきからの出血や歯石の付着、歯周ポケットなども確認し、必要な治療を行ったうえで矯正歯科治療へ進みます。

中等度~重度の歯周病は治療が必要

中等度から重度の歯周病では、歯ぐきの炎症だけでなく、歯を支える骨が減っている場合があります。その場合、無理に歯を動かすのではなく、まず歯周病の治療を優先します。

歯石やプラークを取り除き、毎日の歯磨きを改善して、歯周病の進行を抑えることが第一です。症状によっては、歯ぐきの中にある歯石を除去したり、専門的な歯周病治療が必要になることもあるため、早めに治療をしましょう。

一方で、重度の歯周病だからといって、矯正歯科治療を諦める必要はありません。歯周病を治療して炎症が落ち着き、歯を支える組織が安定すれば、矯正歯科治療ができるケースもあります。


歯周病のまま矯正歯科治療するリスク

歯周病がある状態で注意しなければならないのは、炎症が続いているにもかかわらず、そのまま矯正歯科治療を進めることです。

矯正歯科治療では、歯周組織に適切な力を加えることで歯を移動させます。しかし、歯周病で歯を支えている歯ぐきや骨に炎症が起きている状態で無理に歯を動かそうとすると、思わぬトラブルが起こる可能性があります。

歯周病が進行する

矯正装置を装着すると、歯磨きが難しい場所が増えます。特にワイヤー矯正では、ブラケットと歯の境目やワイヤーの下に食べ物が入り込みやすく、磨き残しが増えやすくなります。

歯垢が残った状態が続けば、歯周病の初期段階である歯肉炎を引き起こします。もともと歯周病がある方なら、なおさら注意が必要です。

一方、マウスピース矯正は装置を取り外して歯磨きができるため、清掃しやすいという特徴があります。ただし、歯を十分に磨かずマウスピースを装着していれば、当然歯垢は残ります。

治療が進みにくい

矯正歯科治療中に歯周病が悪化した場合は、予定どおり歯を動かし続けるのではなく、歯周病の治療を優先しなければなりません。

歯ぐきからの出血が増えたり、歯周ポケットが深くなった状態を放置して、矯正歯科治療だけを進めることはできません。

いったん歯の移動を止めて歯周病の治療を行えば、その分、当初予定していた矯正期間より長くなってしまうこともあります。

急いで矯正を始めることよりも、将来まで歯を残せる状態で治療を進めることを優先しましょう。

歯ぐきが下がる

矯正歯科治療によって歯を動かす際には、歯を支える骨の厚みや歯ぐきの状態にも注意が必要です。

特に歯周病によって歯を支える骨が減っている方では、歯周病治療で歯ぐきの腫れが治まることで、治療後に歯ぐきが下がり、歯が以前より長く見えることがあります。

また、歯と歯の間の歯ぐきが下がると、前歯の間に三角形の黒い隙間ができる「ブラックトライアングル」が目立つ場合もあります。

歯ならびがきれいになっても、歯ぐきが大きく下がってしまえば、「思っていた見た目と違った」と感じるかもしれません。

そのため、矯正前には歯だけを見るのではなく、歯ぐきや歯を支える骨の状態まで確認して治療計画を立てる必要があります。

歯が抜ける可能性がある

歯周病が進行すると、歯を支えている骨が少なくなり、歯がグラグラするようになります。さらに進行すれば、最悪の場合歯が抜け落ちてしまいます。

歯を支える骨が少なくなっている場合には、健康な歯と同じように力を加えることはできません。現在の歯周組織に合わせて、歯を動かす方向や力を慎重に考える必要があります。

矯正歯科治療の目的は、単に歯をきれいに並べることだけではありません。いつまでもご自身の歯で健康的に過ごせる状態を目指すことが大切です。

そのため、当院では歯周病の初期治療を行い、その結果を判定した上で、矯正歯科治療へと移行していきます。


矯正歯科治療を始める前の歯周病の治療方法

矯正歯科治療前の検査で歯周病が見つかった場合は、まず原因となる歯垢や歯石を取り除き、歯ぐきの炎症を改善していきます。

同時に重要なのが、毎日のセルフケアです。

歯科医院できれいにしても、毎日のセルフケアが不十分なら再び歯垢がたまり、炎症が起こります。そのため、歯周病治療では歯石を取るだけでなく、ご自身で清潔な状態を維持できるようにすることも重要です。

歯周病の進行度によって治療内容は変わりますが、基本となる処置には「スケーリング(Scaling)」と「ルートプレーニング(Root Planing)」があります。両者は一連の流れで施術することが多いため、合わせてSRPと呼ばれます。

スケーリング

スケーリングとは、簡単に言えば歯石取りのことです。

歯石自体は歯茎に悪影響を及ぼすわけではありませんが、表面はザラザラしているため、その上にさらに歯垢や歯周病菌が付着しやすくなります。

一度硬くなった歯石は、通常の歯磨きでは取り除けないため、歯科医院では最初に歯石を取り除き、毎日の歯磨きでプラークを落とせるようにすることで、歯ぐきの腫れや出血の改善を目指します。

矯正装置を付けると清掃が難しくなるため、まずは装置を付ける前にお口の中を清潔な状態に整えることが大切です。

ルートプレーニング

歯周病が進み、歯ぐきの中まで歯石が付着している場合には、まずスケーリングで歯石を取り除き、その後に歯の根の表面を滑沢にする「ルートプレーニング」を行います。

歯ぐきの中まで歯ブラシを届かせることはできません。

そこで専用の器具を使用し、歯根表面にこびりついた歯石を除去したのちに、歯根表面を滑沢に研磨することで、歯石や細菌を付着しづらくすることができ、再び歯ぐきが歯根表面に密接に付着するようになります。

治療後は、必ず歯周精密検査を行い、歯ぐきの腫れや出血、歯周ポケットの深さなどを計測し、初診時との変化を確認します。

それでも歯周病の進行が抑えられない場合は、歯周外科治療と呼ばれる、歯ぐきを切開して直接歯根表面にアプローチする方法が選択されます。


矯正歯科治療中の歯周病を予防する3つのポイント

矯正装置を装着している間は汚れが残りやすくなり、歯周病のリスクが上がるため、これまで以上に歯磨きや歯科医院でのケアが重要になります。

特に歯周病になったことがある方は、治療によって炎症が落ち着いたあとも、再び悪化させないことが大切です。

毎日のセルフケアと歯科医院でのクリーニングを受け、矯正治療中も健康な歯ぐきを維持しましょう。

正しいセルフケアを継続する

矯正中の歯磨きでは、ただ長い時間磨けばよいわけではありません。「汚れが残りやすい場所にきちんと歯ブラシが届いているか」が重要です。

ワイヤー矯正の場合は、ブラケットの上下やワイヤーの下、歯と歯ぐきの境目に歯垢がたまりやすくなります。歯ブラシの角度を変えながら、一か所ずつ丁寧に磨きましょう。

マウスピース矯正では装置を取り外して磨けますが、歯が汚れたままマウスピースを装着すると、歯周病のリスクが上がるため、正しいブラッシングと装置のお掃除を心がけましょう。

当院では、患者さんのお口に合わせて、磨き残しやすい場所や歯ブラシの当て方までお伝えしています。ご不明な点があれば、遠慮なくお声がけください。

フロスや歯間ブラシを使う

歯ブラシだけでは、歯と歯の間に入り込んだ歯垢を十分に取り除けません。そこで取り入れたいのが、デンタルフロスや歯間ブラシです。

特に歯周病によって歯ぐきが下がっている方は、歯と歯の間に隙間ができていることがあります。このような部分には歯間ブラシが役立ちます。

ただし、歯間ブラシは大きければよいわけではありません。無理に押し込むと歯ぐきを傷つけるため、ご自身の隙間に合ったサイズを選びましょう。

また、矯正中は歯が少しずつ動くため、歯と歯の隙間も変わっていきます。その時のお口の状態に合わせて、使用する清掃器具を見直すことも必要です。

当院では、患者さんの口腔内の状態に合わせてカスタマイズした、歯ブラシや歯磨き粉、歯間ブラシ、粘膜保護用のカバー剤などを含む、スターターキットをお渡ししております。

スターターキットの内容例

以下の記事で、矯正治療中の正しい磨き方とおすすめケアグッズを紹介しています。

歯科医院でクリーニングを受ける

毎日しっかり歯磨きをしていても、ご自身のケアだけですべての歯垢や歯石を取り除くのは簡単ではありません。

特に矯正装置の周囲や歯周ポケットの中は、自分では清掃しにくい場所です。そのため、矯正治療中は定期的に歯科医院で歯ぐきの状態を確認し、必要に応じてクリーニングを受けましょう。

大切なのは、「歯が予定どおり動いているか」だけを確認するのではなく、「歯ぐきに炎症が起きていないか」も一緒に確認することです。

当院では、歯ならびを整えることだけをゴールにせず、矯正中のむし歯や歯周病の予防にも取り組んでおり、調整でご来院いただく際には、必ずお口の中全体のクリーニングを行っております。

治療後もご自身の歯を健康に保てる状態を目指します。


歯周病がある状態で矯正歯科治療を検討している方は、愛媛県松山市の大谷歯科矯正歯科にご相談ください

この記事では、歯周病がある方でも矯正治療ができるのか、治療前に知っておきたいリスクや歯周病の治療方法、矯正中の予防について解説しました。

歯周病があるからといって、矯正治療を諦める必要はありません。ただし、歯ならびだけを整えても、その歯を支える歯ぐきや骨が健康でなければ、長く自分の歯で食事を楽しむことはできません。

愛媛県松山市の大谷歯科矯正歯科では、まずお悩みを伺い、歯ならびや咬み合わせだけでなく、むし歯や歯周病を含めたお口全体の状態を確認します。必要な治療があれば、順番を整理したうえで矯正治療をご提案します。

「歯周病があるけれど矯正できるのか知りたい」という段階でも、まずは相談だけで大丈夫です。ご自身の歯を長く守ることまで考えながら、治療方法を一緒に考えていきましょう。

矯正歯科治療を検討されている方は、愛媛県松山市の大谷歯科矯正歯科にご相談ください

定期的に【無料矯正相談会】を実施しております

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